• 新潟大学医歯学総合病院医科総合診療部 病院教授
    長谷川隆志 先生
  • 新潟大学医歯学総合病院・脳研究所神経内科 病院講師
    河内 泉 先生
Chapter.2 EGPAの治療について

Q. EGPAに対する治療ストラテジーについてお聞かせください。

長谷川先生
 ステロイドパルス療法(methylprednisolone 0.5~1.0 g/日)は必須と考えています。厚生労働省の研究班による寛解導入のための治療プロトコールでは、同療法は3日間までの施行が推奨されていますが、それでは寛解導入に至らない例もあります。
 治療においては免疫抑制剤も投与しますが、こちらは効果発現まで時間がかかりますので、症状を早く抑えるためにまずはステロイドパルス療法を施行しています。
河内先生
 神経組織はほかの内臓諸臓器と異なり再生が難しいので、後遺症が極力残らないよう、迅速かつ強力な治療が望まれます。神経症状を認める場合、重症度が高いと考え、ステロイドパルス療法を行うことを検討します。

Q. EGPA治療におけるIVIG療法についてお聞かせください。

河内先生
 ステロイドパルス療法と免疫抑制剤の投与でなお寛解導入に至らず、末梢神経障害が改善しない場合には、IVIG療法(乾燥スルホ化人免疫グロブリンによる大量静注療法)も適応の一つです。
長谷川先生
 EGPAの患者さんにとって、末梢神経障害の症状というのは、喘息以上に非常に辛いものです。「とにかく痛い」「しびれる」と強く訴え、ADL(日常生活動作)も大幅に低下します。そうした姿を見るにつけ、末梢神経障害は極力起こさせてはいけない、またもし発症したら、症状を固定化させてはいけない、との思いを強くします。
河内先生
 おっしゃる通りです。患者さんが後遺症を残さないように、早期に診断し、早く集中的に治療を行うことが重要であり、それが神経障害への対処のコツです。
MEMO EGPAの治療ストラテジー
●寛解導入療法 ステロイドと免疫抑制剤投与
重症例 ステロイドパルス療法(methylprednisolone 0.5~1.0 g/日)×3日間、あるいはプレドニゾロン(PSL )0.6~1.0 mg/kg/日(40~60 mg/日)の経口投与+免疫抑制剤(シクロフォスファミド等)
*重症例では、ステロイドパルス療法は必須。
●上期療法で寛解導入せず、末梢神経障害が改善しない場合
IVIG療法(乾燥スルホ化人免疫グロブリンによる大量静注療法)
400mg/kg体重 × 5日間
*末梢神経障害はADLも大幅に低下させることから、治療は可能な限り早く、集中的に行う。
*寛解導入療法で改善しない場合は、IVIG療法の施行も検討し、症状の固定化を避けることがポイント。
EGPAを見逃さないために

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