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Ⅰ-1.EGPA(CSS)の早期診断・早期治療の重要性について

なぜ早期診断・早期治療することが重要か?

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、診断・治療が遅れると半数が致死的となる。早期診断・早期治療介入はEGPAの急性期、長期予後を改善するが、それには1990年米国リウマチ学会発表のCSS分類基準の普及による診断率上昇の影響も大きい。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の診断3ヶ月以内に全身ステロイド投与がされなかった症例の致死率は約50%と報告されています 1) 。かつての診断基準は壊死性血管炎や肉芽腫形成の存在を証明する必要があり 2) 、小さな生検組織ではこれらの所見が得られにくいことから診断が遅れました。1990年米国リウマチ学会のCSS分類基準 3) が発表され、この基準が普及したことによりEGPAの診断率が上昇し、早期治療介入が可能になった、と考えられています。1996年以前に診断された症例と1997年以降に診断された症例では5年生存率が異なることが報告されています 4) 。よってEGPAは早期診断・早期治療介入は急性期、長期予後のどちらにも重要です 5)

1)Gayraud M, et al: Arthritis Rheum 2001; 44(3): 666-675.
2)Lanham JG, et al: Medicine 1984; 63(2): 65-81.
3)Masi AT, et al: Arthritis Rheum 1990; 33(8): 1094-1100.
4)Comarmond C, et al: Arthritis Rheum 2013; 65(1): 270-281.
5)Jennette JC, et al: Arthritis Rheum 2013; 65(1): 1-11.
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